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| 年 | 適用金利 | 年間返済額 | うち利息 | うち元金 | 年末残高 | 未払利息 | 年末残高(実質) |
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元利均等返済では毎月の支払額は一定なので、低金利の時期に多く返しているのは「支払額のうち元金に回る分が多い」という意味では本当です。誤解はその先で、それが自動的に将来の金利上昇を相殺してくれるわけではありません。残高が最大の序盤に低金利だった恩恵は、浮いた分を繰上返済か貯蓄に回して初めて手元に残ります。使い切っていれば、残るのは残高が大きいまま上昇局面に入るという事実だけです。
据え置かれるのは支払額であって、金利ではない。
金利は半年ごとに見直され、利息はその金利で発生し続けます。変わらないのは毎月いくら払うかだけなので、内訳が利息側に寄って元金が減らなくなります。上の「元金の残り」で、青い線が橙の線より上に居残るのがそれです。負担は消えず、先に送られています。
上限がかかるのは支払額であって、利息ではない。
5年ごとの見直しで支払額が上がるとき、前回の 1.25 倍が上限になります。金利が大きく上がると、その上限を利息が超えてしまう月が出ます。超えた分は未払利息として積み上がり、残高は減るどころか実質的に増えていきます。溜まった未払利息は、支払額に余裕が戻れば元金より先に充当され、それでも残った分は最終回にまとめて請求されます。
なお、ソニー銀行・SBI新生銀行・PayPay銀行などはこの二つのルールを採用していません。そこでは半年ごとに支払額が即座に変わります。不利というより、先送りがない分ごまかしが効かないという違いです。上の橙の線がその世界です。
ここが名目の総返済額だけを見ていると抜け落ちるところです。35 年後に払う 10 万円は、今の 10 万円と同じ重さではありません。インフレ率 2% なら 35 年後の 1 円は今の 0.50 円ほどの価値しかなく、それは借り手にとって借金が軽くなることを意味します。
しかも、金利が物価に連れて上がるかぎり、この効果は固定のほうに厚く効きます。実質金利を 1% に置いたまま物価と変動金利をそろって 2pt 持ち上げてみると、固定の実質負担は 28% 削れるのに対し、変動は 2% しか削れません。変動は名目金利が物価を追いかけるので実質の重さがほとんど変わらないのに対し、固定は名目で釘付けなぶんだけ物価に削られるからです。つまりインフレは固定金利にとっての保険料の割り戻しで、名目だけを見て「固定は高すぎる」と切り捨てると、この分を丸ごと見落とします。
「金利の上昇はインフレ由来とみなす」を入れているのは、その逆の落とし穴を塞ぐためです。金利が上がるのは普通インフレが起きているからで、「物価は動かないのに金利だけ 3% 上がる」という設定は、変動にとって現実より厳しすぎます。チェックを外せばその厳しい世界も見られます。
団体信用生命保険の上乗せ金利、事務手数料や保証料、住宅ローン控除、繰上返済、収入の増減、固定期間選択型(当初 10 年固定など)は入っていません。入れれば精度は上がりますが、量りたいのは「同じ金利の動きに対して三つの返し方がどう違うか」なので、そこだけを残しています。